「狐の嫁入り」について2

前回に引き続き、「狐の嫁入り」についての内容です。今回は「狐の嫁入り」に関するお祭りについていくつかご紹介します。

 

つがわ狐の嫁入り行列

新潟県津川でが毎年5月3日に開催される祭。夕暮れ時に町の明かりを消し、提灯や松明で照らされる会津街道を狐の化粧をした白無垢の花嫁が仲人とお供合わせて108人の嫁入り行列が狐の動作をしながら練り歩いたり、保育園児達が扮した子狐達が祝踊りを踊る行列は麒麟山麓の常浪川にかかる城山橋まで歩き、花嫁はそこで花婿と会い、川の中に特設された水上ステージにて結婚式・披露宴を執り行います。宴が終わった後、花嫁と花婿は渡し船に乗って麒麟山へ向かい、祭りは終了します。

麒麟山には狐火にまつわる話が数多くあるので、この行事が生まれたのも、昔は嫁入りが夜にかけて行われ、下げた提灯が狐火と平行して見えたため狐の嫁入り行列が生まれたと言われているそうです。

残念ながらもう既に開催した後ですが、機会があれば一度見てみたい行事です。

 

開運厄除節分祭 狐の嫁入り道中

こちらは三重県四日市市で毎年節分の日に行われ、その年の年男と年女が神様の使いである狐の新郎新婦に扮し、狐の嫁入り道中を再現した後、境内で挙式して福引券入りの副豆まきが行われるそうです。この祭りが行われる海山道稲荷神社は、海でも山でも切り開いて運を運んでくれる尊いお稲荷様で、交通安全や住建合格祈願、就職出世といった開運諸願成就の神様としても崇められているそうです。

 

岡谷きつね祭

長野県岡谷市で行われる「きつね祭」は奇祭として有名な祭りの一つです。男狐神社とされる長塚稲荷と女狐神社のお福稲荷の双方から衣装を凝らした行列が騎乗の花嫁、花婿を守って約2キロの道中を練り歩き、やがて繁華街、中央通りの大辻で挙式をする仕来りとなっているそうです。花嫁と花婿は毎年募集により選ばれるそうです。この「きつね祭」は7月27日に開催されるようです。

 

 青柳里坊稲荷神社狐の嫁入り

野県のもう一つの奇祭「狐の嫁入り」は東筑摩郡筑北村青葉で7年に一度行われる行事で、この祭りでは何と男性が狐の面を被り女狐や花嫁に仮装して街道をゆっくり進んでいく行事だそうです。行列の先頭は御幣を持った唄い手が歩き、仲人二人、親分夫婦、箱下駄をはいた花婿、唐草模様の長持ち、竹籠に乗った緋色の衣装の花嫁、その後ろには郎党が続き船型の山車がひかれて行く…といった内容だそうです。

 

 稲穂祭(狐の嫁入り)

こちらは山口県下松市で行われる行事です。五穀豊穣を祝い、実りの秋を感謝する祭りだそうです。「狐の嫁入り」と呼ばれる御神幸祭では、狐の面を被った花嫁と花婿が、紋付き袴の親族とお供を引き連れて、人力車で勘場跡地から花岡駅までの旧街道を練り歩く行事だそうです。

みのわの里のきつね祭

みのわの里のきつね祭は群馬県高崎市で行われている行事です。この祭りは昭和30年まで行われていた婚礼の儀式を狐の嫁入りに見立てて、地域に伝わる祝儀の仕来りや風習を着物文化を取り入れて再現した祭りだそうです。出演者は狐の化粧をしているようです。

 

 

他にもありますが、全部上げていくとキリがないのでご紹介するのはこの辺までです。こうしてみると、日本人にとって狐は身近な存在で、狐からすれば人に見られてはいけないという狐の嫁入りも人間にとってはありがたいものだったように感じられますね。